美容外科クリニックではたらく医師のブログ

現役美容外科医のお仕事と日常生活

脂肪吸引のコスパって良い?悪い?

f:id:fujiikazuhisa:20191017143222j:plain

cp

 脂肪吸引の費用、決して安くはないですよね。大切なお金を払って手術を受けるのに、その効果が払った費用に見合わないものだったら後悔してしまいます。そこで今回は、脂肪吸引の費用対効果(コストパフォーマンス)について考えてみたいと思います。これを読むと、じぶんにとって脂肪吸引を受けることは得なのか損なのかを判断できるようになります。

 

脂肪吸引のメリットと手術費用

コストパフォーマンスとは、払った費用に対してどれだけの価値があるかを比較してコスパが良いか悪いかを判断するのですから、まずは脂肪吸引をうけることによって得られるメリットと脂肪吸引をうけるときにかかる費用について説明していきます。

 

脂肪吸引をうけるメリット

ここでは、脂肪吸引をうけることで得られるメリットについて説明していきます。

脂肪吸引をうけた部分が細くなる

脂肪吸引は気になる部分の脂肪を外科手術で吸引して取り除く治療ですから、吸引された脂肪は手術中に体から出ていきます。

 

ということは、取った脂肪の体積分は確実に細くなるわけです。実際には、患者さんの皮膚の弾力や筋肉のつき具合、姿勢のクセなどの要因も治療効果に影響するのですが、脂肪吸引をうけたのにまったく変化がないなんてことは絶対にありえません。つまり、脂肪吸引は効果の確実性が高い治療法といえます。

 

ただし、ここで注意してもらいたいのは、脂肪吸引を受けさえすれば、自分の思い通りの細さを手に入れられるというわけではないということなんです。

 

じゃあどのくらい細くなれるのか?っていうと、『もし、いまの自分に余分な脂肪がなかったとしたら、このくらい細かったはず』という感じです。

 

どうでしょう?脂肪吸引は自由自在の細さになれる治療ではありませんが、確実に部分痩せしたいと思っている人には良い治療と言えるのではないでしょうか。

 

※脂肪吸引の効果のでかたには個人差もあります。脂肪吸引の効果を決める要因について知りたい方は、『脂肪吸引で効果がでる人ってどういうひと?』をご覧ください。

 

www.fujiikazuhisa.com

 

 

脂肪吸引をうけた部分は今後太りにくく、痩せやすくなる

脂肪吸引を受けた部分は今後太りにくく、痩せやすい状態になります。その理由は、脂肪吸引によって余分な脂肪が取り除かれたことによって脂肪細胞の数が減るからです。ここで、下のイラストをごらんください。

f:id:fujiikazuhisa:20191017153043j:plain

principle of liposuction

イラストを見ると、脂肪細胞のサイズはそのままですが、脂肪が吸引されて脂肪細胞の数が減っているのがわかりますね。これが脂肪吸引で細くなる原理です。

 

私たちが太ったり痩せたりする時というのは、脂肪細胞の数が増減しているのではなくて脂肪細胞のサイズが大きくなったり小さくなったりしています。だから頑張ってダイエットをして脂肪細胞のサイズを小さくできても、細胞の数は減っていないから元通りになることはいくらでもあるというわけなんですね。

 

一方、脂肪吸引は脂肪細胞の数そのものを減らしています。脂肪細胞の数が減ったから細くなるのは当然として、それ以外に自分でもダイエットを頑張ると少なくなった脂肪細胞のサイズをさらに小さくできるからもっと細くなれますし、もしちょっとくらい食べ過ぎたとしても脂肪細胞の数が減ってますから、多少脂肪細胞のサイズが大きくなったとしても元の太さまで戻ることはまずないので、脂肪吸引を受けた部分は痩せやすく太りにくくなるというわけなんです。

 

ただし、ここで注意してもらいたいのは、脂肪吸引を受ければこれからは暴飲暴食をしても太らないし、運動もしなくてよくなるわけではないということです。脂肪吸引で細くなれても、無茶な生活をすれば太ります。食事制限まではいりませんが適切な食事管理は今後も必要ですし、年齢とともに基礎代謝が下がって年を取ると必要カロリーは低くなっていくのですから、基礎代謝を高く保つためにも適切な運動は今後も必要です。

コンプレックスがなくなって前向きな考え方になれる

 脂肪吸引をうけて細くなることで、今まで抱えていたコンプレックスがなくなって前向きな考え方になれることも脂肪吸引のメリットであり、実はこれが、脂肪吸引の効果の最大のメリットだと僕は思っています。

f:id:fujiikazuhisa:20191017172453j:plain

future

 

脂肪吸引後の経過観察の時に会った患者さんの中には、はじめてお越しになった時と比べて表情が柔らかくなっている人も多いですし、細くなった自分に自信を持てるようになって服装やメイクの感じが変わり、雰囲気がかっこよくなった人もたくさんいます。

 

ほかには、治療で手に入れた細さにさらに磨きをかけたいと食事内容の見直しや運動習慣を身につけて脂肪吸引の効果以上の細さを引き出した人もいました。つまり、脂肪吸引によって“キレイになった”ことが成功体験になり、新しい自分になる決意ができた人がたくさんいるんです。

 

気にしていることがなくなって未来に明るい見通しをもつことができると、人は前向きな考え方ができるようになって今までと習慣がかわり、そのおかげで行動が変わり、行動が変わることで今までと結果が変わって良い方向に進むことができるのだなと僕は多くの患者さんから教えてもらいました。

 

脂肪吸引を受ければ人生が変わるとは言いませんが、もし現在一番気にしていることが体型のことで、それが脂肪吸引で解決できるなら、脂肪吸引をうけるのは全然アリだと僕は思います。

 

脂肪吸引の費用

ここでは、脂肪吸引の費用について説明していきます。手術費用は麻酔方法や手術方法、アフターケアの内容によって違いますし、クリニックの料金設定も様々ですから、一概にいくらと言うことはできませんが、ここでは、標準的なレベルの脂肪吸引を受ける場合にこのくらいの料金であれば妥当(高すぎない、安すぎない)と美容外科医の僕が感じる料金をあげさせていただきます。

 

頬の脂肪吸引 30万円
二の腕の脂肪吸引 40万円
お腹全体と腰(ウエスト)の脂肪吸引 100万円
背中の脂肪吸引 40万円
太もも全体とお尻の脂肪吸引 120万円
ふくらはぎの脂肪吸引 40万円

 

※この料金より高いから法外な料金設定というわけではありませんし、安いからお得、またはレベルの低い治療しか受けられないということでもありません。実際には、カウンセリングを受けた時に担当医から治療内容や保証の範囲などをよく聞いてじぶんが納得できる値段なのかを検討してください。

 

 脂肪吸引の費用を1日当たりに換算するといくらになるかを計算してみた

脂肪吸引後に太らないように気をつけるという条件付きですが、脂肪吸引の効果は永久的といえます。つまり、脂肪吸引をうけたあとに定期的な治療がいるわけではなく、1回手術を受ければ一生ものの効果が得られるということです。

f:id:fujiikazuhisa:20191105105311j:plain
とはいえ、脂肪吸引の費用って何十万円以上しますから高いですよね。ここでは、脂肪吸引の費用はほんとうに高いのか?を検証するため、1日当たりに換算するといくらになるかを計算してみました。

 

条件設定は一番高い太ももとお尻の脂肪吸引を受ける場合にして、効果期間はあえて永久とせず30年間に設定して以下の条件としました。

 

検証条件

①30歳の女性が太ももとお尻の脂肪吸引を受ける

②手術費用は120万円、税込みで132万円

③その他、通院時の交通費や手術後に使う圧迫下着代金などで総額8万円

④トータルで脂肪吸引に費やしたお金は140万円

③実際の治療効果は永久ですが、ここでは30年後(60歳)に元に戻ると仮定

 

では、計算してみましょう。全部でかかった費用は140万円で、効果期間は30年だから、1年あたりにすると140万円÷30万円=46,666.6667円/年。1年あたり約47,000円ということになります。

 

30年間、足を細くするために、はじめに140万円払わないといけないけれど、年間47000円で30年間、足が細いまんまでいれるということになりますね。

 

これを1日あたりにすると、47,000円÷365日=128.7671・・・円/日。太ももとお尻を30年間細くするのに1日約130円かかるという結果になりました。高いですか?それとも、払う価値のある治療でしょうか?

 

【結論】脂肪吸引のコスパ

で、脂肪吸引のコスパはいいの?悪いの?ってことについてですが、僕の個人的意見ではありますが、脂肪吸引はコスパ最高の治療だと思っています。

 

そう思う理由は、一度脂肪吸引を受けた患者さんが次は他の部分の脂肪吸引を受けているケースも多くて、それって患者さんが治療に価値を感じてくれている証拠だからです。

 

ただ、脂肪吸引はコスパ最高の治療だからみなさんどんどん気軽に受けてくださいってことではなくて、手術ですからリスクもありますし、全員が希望通りの成果を得られているわけではないでしょうから、よく検討して決めないといけないと思うんですね。

 

脂肪吸引後の一般的な経過ですが、患部に痛みや腫れ、内出血が1,2週間出現し、むくみが1ヶ月くらいは続きます。非常にまれなケースとして創部の感染、傷跡が盛り上がって治るなどの合併症が起こりえます。

 

よく検討するためにいくつかの美容外科クリニックに相談に行って、ドクターからきちんと説明と診察を受けてですね、心配に思っていること、わからないことがあればドクターに全部質問して不安がない状態になったら手術の申し込みをする、そうじゃなければ今はうけない決断をするという姿勢も大事かなと思います。