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【わきが多汗症】根治手術をうけるときの注意点

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わきのにおいや汗のことを気にしている方に伝えたいことがあります。それは、わきがや多汗症は手術で完治させることができる、ということ。

 

根治手術をうけると、手術中に治療効果があらわれ、その効果は永久に続きます。つまり、手術をうけた後は二度と、わきのニオイや汗のことを気にすることなく過ごすことができます。

 

わきが多汗症を完治させる根治手術では、せん除法という手術法をおこないます。わきが多汗症の手術法にはせん除法以外にいくつか方法はありますが、効果不足や再発を起こさずに確実に永久的な効果をお約束できるのはせん除法以外にありません。

 

そこで今回は、僕がカウンセリングで患者さんに説明しているわきが多汗症の根治手術について書かせていただきます。これを読むと自宅に居ながらにしてカウンセリングをうけたのと同様の情報を得ることができます。参考になさってください。

 

まずは下のイラストをごらんください。

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汗はエクリン汗腺から分泌されます。においのもとはアポクリン汗腺から分泌されます。

 

ということは、エクリン汗腺とアポクリン汗腺を取り除けば、汗とにおいの症状はなくなるということになります。

 

せん除法は、医師がエクリン汗腺とアポクリン汗腺を目視下に切除することで汗やにおいの原因を元から断つことで、高い効果を引き出すことができる手術法です。

 

エクリン汗腺とアポクリン汗腺を目視下に確実に切除するためには、わきの下の皮膚を切開して十分な視野を確保する必要があります。切開するのは腕を下げた時にわきの下にできるしわの部分です。

 

十分な視野を確保するためには、1,2センチの皮膚切開では足りず、5センチほどの皮膚切開が必要となります。

 

せん除法以外の手術法では、小さい傷口から手術ができることを売りにしていることがありますが、小さい傷口ですんでも効果がイマイチで、においや汗の悩みから解放されないのでは手術を受けた意味がありません。

 

一生ものの効果を得るためには傷跡は受け入れるしかありません。ただ、皮膚を切る場所はわきの下のしわに沿ったところを選ぶので、時間が経てば傷跡はほとんど気にならなくなります。実際、手術を受けた患者さんの大多数は傷跡を気にしておられません。

 

手術は局所麻酔でうけることができ、手術時間は両側で約90分程度です。麻酔注射の時は少し痛みがありますが、我慢できないほど痛いわけではありませんし、麻酔はすぐに効くので手術はつらい思いをしないで受けられると考えてもらって大丈夫です。

 

手術後はわきの下を圧迫します。圧迫は手術後のわきの下に血液やリンパ液がたまる合併症を予防するためにおこないます。圧迫だけではなく、腕を動かさないように抜糸の日まで安静に過ごすことも重要です。

 

ここで、手術後の通院の一般例について説明します。

  1. 手術日
  2. 術後3または4日目(圧迫をはずす)
  3. 術後10日目(抜糸をおこなう)
  4. 術後3週間目(わきの下の皮膚の診察)
  5. 術後1,2か月目(経過観察の診察)

 治療終了までに原則的に5回の通院があります。抜糸は必ず必要で省略できませんが、抜糸後の診察スケジュールでどうしても通院できない時はカウンセリングの際に担当医に相談してみてください。

 

抜糸までは安静に過ごしますが、抜糸後はむしろ積極的に腕を動かすようにします。その理由は、大事を取って安静にしすぎるとわきの下の皮膚にしわができてしまって、腕をのばした状態でもしわが残ってしまう可能性があるからです。

 

手術後の痛みは痛み止めを飲めば問題ないレベルですが、もし痛みがひどい場合は安静に過ごせておらず、腕を動かしてしまっている可能性があります。ベッドで安静にしていても痛い場合は痛み止めを追加で飲んでみて様子をみてください。術後3,4日目に圧迫をはずすと痛みはほとんどなくなることが多いです。

 

また、手術後は一時的にわきの下の皮膚の感覚がにぶく感じたり、ひきつれ感、ツッパリ感、腕にしびれが出ることもありますが、時間とともに改善していき、術後1ヶ月目にはほとんど治るので心配ありません。

 

患者さんによっては、抜糸後のわきの下の皮膚がいったんはがれてジュクジュクした状態になることがあります。見た目が痛々しいので状態が悪化したように感じるかもしれませんが、想定内の症状です。まったく心配いりません。処方された塗り薬を毎日使って2週間ほど様子を見て下さい。

 

手術後1か月目にわきの下の皮膚の状態の診察をうけていただきますが、わきの下の皮膚には色素沈着が生じており、キレイな肌とは言えない状態になっています。色素沈着は時間とともに治っていき、年単位で見ればとてもきれいに治ることがほとんどですが、まれに傷跡が盛り上がって治ってしまったり、色素沈着が目立ってしまうことがあります。

 

傷あとが気になる場合は手術後6ヶ月は様子を見て、それでも気になる時は担当医の診察をうけてください。状態によっては修正治療で改善できることがあります。

 

ここまで読んでいただいて、わきが多汗症の根治手術を受けるのは大変だなと感じられた方もおられるかもしれません。すでに手術を受けた患者さんの多くの方もカウンセリングでは同じように感じられている様子でした。

 

ではどうして手術を受けたのかというと、においや汗のことでもう悩みたくないという気持ちのほうが強かったからです。

 

手術をうけた患者さんの中で、自分にわきがや多汗症の症状があることを知ってすぐに手術を受けに来た人はいません。手術を受けるにはお金もかかりますし、安静に過ごすためのスケジュール調整も必要ですし、なにより怖いという気持ちがあるはずです。

 

だから、手術なんか受けなくても症状が気にならなくなるように、制汗剤を色々試してみたり、着る服を選んだりして色々な工夫をして何年も悩んだ末に手術を決心してうけておられます。

 

手術後に抜糸をするまでは、わきの下を洗うことができない期間があります。わきのニオイや汗を長年気にして来た人にとって、何日間もわきの下を洗わずに過ごすことなどなかったはずですが、手術後からはまったくニオイも気にならないし、汗じみもできなくなるので皆さん、感動してくれます。

 

中には、『どうしてもっと早くうけなかったのか。苦しんだ時間が無駄だった』とおっしゃった患者さんもいました。

 

わきのニオイや汗のことはデリケートな内容ですので誰にも相談できることではないですし、過去に心無い人に配慮のない言葉を言われてずっと悩みを背負ったままという人もいます。

 

わきがや多汗症は体質であり病気ではありませんが、症状を気にしている人にとっては今後の人生の歩み方に積極的になれるかどうか、自分の尊厳を守れるかどうかの大きい問題です。

 

わきの汗やニオイをなんとかしたい、気にせずに生きていきたいと考えておられるならば、根治手術をうけることを考えてみてください。これを読んでもわからないことやもっと知りたいことがありましたら、ぜひカウンセリングを受けに来てください。さらに詳しく説明させていただきます。

 

タウン形成外科クリニックでわきが多汗症の根治手術を受ける場合の費用は24万円~29万円(税別)、他院術後の再手術の場合は35~50万円(税別)となっています。最長60回までの医療ローンのご利用も可能です。

 

カウンセリングも予約制となっていますので、お越しくださる際はお手数ですが予約をお願いします。ネット予約も可能です。

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