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【脂肪吸引の手術ってどうやるの?】①血液検査

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脂肪吸引のことを検索すると、ビフォーアフターの写真や脂肪吸引の体験談ブログはたくさん出てくるんですけど、実際に脂肪吸引の手術がどういう手順で行われるかがわかる情報は少ないと思いませんか?

 

医師による脂肪吸引の手術の手順の解説があれば、これから脂肪吸引を検討している人に役に立つ情報になるんじゃないかと思いました。

そこで、今回から6回に分けて脂肪吸引の手術の実際と注意点について説明していきます。6回のメニューは以下の通りです。

  1. 血液検査
  2. 手術前のマーキング
  3. 麻酔
  4. 皮膚切開とWET法
  5. 脂肪を吸引する
  6. 圧迫する

 

第1回目の今回は『血液検査』についてです。

 

血液検査をする理由

脂肪吸引の手術日が決まったら、健康チェックをするために血液検査をします。血液検査で何を調べるかというと、

  • 貧血がないかどうか
  • 肝臓や腎臓の機能に問題はないか
  • 糖尿病などの隠れた病気がないかどうか
  • 血液が止まりにくい体質でないかどうか
  • 血液型
  • 梅毒や肝炎、HIVなどの感染症のスクリーニング

などを調べています。脂肪吸引は健康な人でないとうけられませんから、手術ができるかどうかを判断するために血液検査をします。

 

たくさんの項目をしらべますが、採血は1回でおわるので何回も注射針を刺されるわけではないからご安心ください。

 

そして、血液検査ですべてのことがわかるわけではありません。持病がある人や他の科から薬の処方を受けている人、病院にはかかっていないけれど体調のことでなにかエピソードがあるという方は必ず医師にそのことを伝えてください。

 

検査結果はすぐには出ない

 ほとんどの美容外科クリニックには総合病院のような検査専門の部門はありませんから、血液検査をしてもその場で検査結果が判明するわけではありません。

 

採った血液は検査会社さんに取りに来てもらって検査結果がでたら後日報告してもらっているクリニックがほとんどです。

 

検査結果は緊急扱いで検査をお願いした場合でその日の夜に報告されますが、通常は検査結果が判明するまでに2,3日の日数がかかります。

 

したがって、血液検査を受けてすぐに手術がうけられるのでなく、手術日は早くても検査から数日後になります。

 

 カウンセリング当日の手術は絶対ダメ!

 

カウンセリング当日に脂肪吸引をうけることも可能ですといっているクリニックがありますが、それ、絶対ダメです!

 

血液検査をうけても検査結果はすぐにはわからないのですから、検査結果がわかっていない状態で手術に踏み切るなど安全性を考えれば論外ですし、脂肪吸引は緊急性のある治療ではないのですから、安全を最優先した治療をうけるべきです。

 

もし、カウンセリング当日に脂肪吸引の手術が可能と説明するクリニックがあった場合は、以下のことを必ず確認してください。

  1. 血液検査はやりますか?
  2. 貧血検査以外の肝臓、腎臓機能や凝固(ぎょうこ)系の検査もやりますか?
  3. 検査結果は手術開始までにわかりますか?
  4. 手術前に検査データの結果説明をしてもらえますか?

上記4点の質問の答えがすべてYESでないクリニックでは絶対にカウンセリング当日に脂肪吸引の手術をうけてはいけません。

 

※実際には、血液検査なしで脂肪吸引をうけても何の問題も起きないことがほとんどですが、それは運が良かっただけで、イチかバチかで手術を受けたことになります。みなさんはそのような危険なことはされないよう、お願いします。

 

健康診断の時のデータって使える?

 会社の健診や人間ドックの時の血液検査のデータって使えますか?と時々質問があるんですが、手術用の検査に比べると、健診や人間ドックは検査項目が少ないのでデータ不足であることがほとんどです。

 

したがって、クリニックでもう一度検査しなおすことになるとお考えください。ただし、今までの過去のデータが健康状態の把握に役立つことも多いので、過去の検査データがあるならクリニックに持って行ったほうがいいです。

 

検査でひっかかったらどうする?

手術前の血液検査で脂肪吸引ができない、または延期したほうがいいという判断になるケースは実際には少ないのですが、今まで自覚症状がなかっただけで病気を持っていたことがわかる場合もありますし、女性患者さんの場合は鉄不足による貧血が発見されることもあります。

 

貧血ならば鉄剤の飲み薬を飲んだり、点滴をうけると1~3か月で改善するので手術日を延期すれば手術可能ですが、内科的な病気が疑われる場合はいったん脂肪吸引の手術は取りやめにして病院を受診するようにしてください。

 

病院受診したほうがいい場合は、医師が検査結果説明の時にアドバイスをくれますし、検査結果を記載した紹介状をクリニックが作成してくれるはずです。(紹介状の作成は1通税別5000円くらいで有料のことが多いです)

 

検査は手術日のどのくらい前に受けたらいい?

血液検査を受けるスケジュールですが、手術日よりあまり早くてもよくありません。その理由は、検査日から手術日までの期間が長くあいていると、検査日と手術日の検査データに大きく誤差が出ている可能性が考えられるからです。

 

クリニックによって方針に違いがあるので自分が受けるクリニックに最終確認していただきたいのですが、僕は自分の患者さんには早くても手術日の3か月前以降、できれば手術前1ヶ月以内に検査をうけるように説明しています。

 

カウンセリングから手術日までの期間が短いなら手術の数日前の検査で構いませんが、もし貧血が発覚した場合は1ヶ月あれば貧血を治せることが多いので、手術日の1か月くらい前に検査をうけておくのがベストではないでしょうか。

 

検査の時にクリニックに伝えたほうがいいことってある?

以前に病院で血液検査をうけたときに気分が悪くなったことがある、歯医者さんの麻酔で具合が悪くなったことがあるなどのエピソードがあればクリニックに伝えるようにしてください。ベッドに横になった状態で採血をするなどの対処をしてくれるはずです。

 

ほかには、女性で月経時の出血が多くて毎月ふらふらになるほどの貧血になる人は、この前の月経がいつから始まったか、次回の月経予定日を前もってクリニックに伝えておくほうが安心です。月経周期が不順ならそれを伝えればいいでしょう。

 

以上、特集【脂肪吸引の手術ってどうやるの?】第1回目をお届けしました。次回は『手術前のマーキング』について説明します。

 

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